PROTEIOS™ PG-Mate™
Q&A集

2001.12.19更新

■Q&A Index
  1.キットのパーツについて
  2.キットの性能について
  3.プロトコールについて
  4.その他
  5.トラブルシューティング
  6.パーツ別売について
  7.PG-Mate™について
   
1.キットのパーツについて
pEU-DHFRは何のために使用しますか。
pEU-DHFRは、このキットを用いる反応が適切に進んだか否かを確認するためのpositive control として添付されています。RNA PolymeraseによってDHFRのmRNAを作ります。このmRNAを使用して小麦胚芽抽出液を加えれば,DHFR蛋白質が合成されます。
pEU-3NUは、何のために使用しますか。
In Vitro Transcription用のベクターです。これに蛋白を発現させたい遺伝子を組み込んで使用すると、目的遺伝子のmRNAを作製できます。
ベクターの全塩基配列はありますか。
pEU-DHFR、pEU-3NUともにあります。 御希望ならば、Textデータとしても配布可能です。
pEU-3NUに含まれるΩ配列とは何ですか。
植物の翻訳系において、翻訳効率を上昇させると言われている配列です。
目的遺伝子は、できるだけこのΩ配列のすぐ下流にくるように挿入して下さい。遠くなりますと翻訳効率が低下する場合があります。
20回分とは、20well分の事ですか、20plate分の事ですか。
20well分(50μlスケール)のことです。
2.キットの性能について
何μgの蛋白質が合成できますか。
発現量の目安ですが、1反応(50μlスケール)あたり最大で20μgの蛋白質合成が可能です。
合成した蛋白質は立体構造が維持されていますか。
立体構造の形成にシャペロン蛋白質などの関与が必要な蛋白質の場合は、正常な立体構造が形成されない可能性があります。また、膜蛋白質など疎水性の高い蛋白質の場合は凝集してしまう場合があります。
目的蛋白質は、糖鎖修飾などいわゆる翻訳後修飾がされていますか。
大腸菌など他の抽出液を使用したシステムと同様に、翻訳後修飾はされない可能性が高いと思われます。リン酸化は、コムギ胚芽抽出液に含まれるタンパク質リン酸酵素によって行われる場合がありますが、本来のリン酸化パターンと異なる場合もあります。
S-S(ジスルフィド)結合は維持されますか。
残念ながら、本キットは還元条件下にて反応を行うためS-S結合は形成されません。
分子量何kDまでの蛋白質が合成できますか。
最高どこまでいくか解りませんが、本キットの原法である論文には,同じシステムで125kDaの蛋白質の合成例があります。また、未発表のデータとしては180kDの蛋白質も合成できたと聞いています。
大腸菌等を宿主とした場合、発育を阻害するような蛋白質での、このシステムの使用はできますか。
合成可能です。むしろ,そのような大腸菌等の宿主による発現では不安定な蛋白質の合成に,本キットは適していると言えます。その様な蛋白の遺伝子が入っているプラスミドから,その蛋白遺伝子の部分をpEU-NUにサブクローニングしてから本キットによって蛋白質を合成させます。
合成用試薬として小麦胚芽抽出液を使用しているのですか。
その通りです。小麦胚芽抽出液は、mRNAを用いて蛋白質を合成するための試薬として使用します。 添付のベクターは、mRNAを調製するためのものです。
当キットの小麦胚芽抽出液は、蛋白質合成系に与える不純物や阻害物質が低いため、高効率の蛋白質合成ができます。
3.プロトコールについて
反応温度と時間は?
23〜26℃で14〜24時間反応させます。反応後は冷蔵または冷凍で保存して下さい。
インキュベーターとして、弊社販売の PG Mate を利用されると便利です。
表示されている50μlスケールとの記載は、反応系の全量のことですか。それともサンプル量ですか。
サンプル溶液のスケールです。サンプル溶液は、mRNA溶液33.5μlに小麦胚芽抽出液等を加えて50μlで使用します。さらに、250μlのBuffer Mixを重層させて反応を行います。
半分のスケール(25μl)までは,スケールダウンが可能です。それ以下は,ウェルへの吸着によるロスが大きくなるのでお薦めしません。
pEU3-NUに目的蛋白質の遺伝子を挿入する場合、フレームを考える必要はありますか。
融合蛋白質を作製するのではないので,フレームを考えて頂く必要はありません。
Ω配列に近いサイトの方が,転写効率が上がります。
pEU3-NUに目的蛋白質の遺伝子を挿入する場合、Ω配列に近いEcoRVサイトが一番いいのですか。
Ω配列に近い方が、翻訳効果が高くなる場合があります。Ω配列から遠いサイトを利用した場合、不要なMCS部分をDeletionすると効果のある場合があります。
目的蛋白質の遺伝子には開始コドンと終止コドンが必要ですか。
必要です。インサート側にはなるべくORF部分のみにしてください。余分なリーダー配列やエンハンサー配列が残った場合、効果が低下する場合があります。
mRNAを作製する時には、 pEU3-NUを直鎖上にする必要がありますか。
ありません。環状のままで結構です。
pEU3-NUに目的蛋白質の遺伝子を挿入した場合の、Positive Cloneの選別法は?
LacZによる発現系ではないので、X-galによる青白判定は御利用できません。 PCRによるインサートチェックが効果的です。 (Insert Check -Ready- :Code No.PIK-151,PIK-251)
反応後も二層のままですが。
不溶性画分が拡散しなかった結果、二層のままに見えることがありますが、反応には問題ありませんので、そのままご使用ください。
mRNAの精製後の吸光度の測定で、ブランクを水にしてはいけませんか。
必ず、カラムの平衡化に使用した溶液を使用して下さい。特に、重層法において、平衡化に使用したBuffer Mixにはアミノ酸等が含まれるため、バック値が高くなります。
4.その他
mRNAを作製するときのNTPsは、どのようなものを使用すればいいか。
リボヌクオチド(rNTPs)を御使用下さい。アマシャム社シグマ社などで販売されています。
よくPCR用酵素などに添付されているデオキリボヌクレオチド(dNTPs)は使用できません。
Tagを使用して目的蛋白質の精製は可能ですか。
pEU-3NUには、Tag配列がついていません。
Tagを使用する場合は,蛋白を発現させたい遺伝子にTag配列を付加させてpEU-NUに組み込みます。
Heminは含まれていますか。またHeminを添加すると効率が上がりますか。
ウサギ網状赤血球(レテキュロサイト)による、無細胞蛋白質合成系にはHeminが必要ですが、当システムは、コムギ胚芽抽出液によるシステムですので、Heminは必要ありません。
このため、Heminは含まれておらず、Hemin添加による効率変化の情報はございません。
実施例はどれだけありますか。
タンパク質
由来
分子量
合成
可溶化
活性
Estrogen receptoreα/MBP Human
82kDa
FK506 binding protein Human
12kDa
N.D.
p52 Human
37kDa
N.D.
MAP kinase Human
41kDa
N.D.
C-Terminal src kinase Human
51kDa
N.D.
protein kinase C Human
77kDa
×
×
protein kinase C/GST Human
104kDa
×
N.D.
Rhodanese Calf
33kDa
Green fluorescent protein A.victorea
27kDa
Luciferase P.pyralis
61kDa
Dihydrofolate reductase E.cloi
18kDa
N.D.
β-lactamase precursor E.cloi
31kDa
N.D.
ClpB E.cloi
96kDa
N.D.
GroEL E.coli
57kDa
N.D.
GroES E.cloi
10kDa
N.D.
KOD DNA polymerase Thermococcus
90kDa
Sacosine oxidase Arthrobactor
43kDa
Bam HI Bacillus
24kDa
Lipase Pseudomonas
30kDa
×
×

(2001年12月19日現在)

CAP構造をmRNAに付加すると、効率が上がりますか。
当社の検討では、CAP構造の付加の有無はあまり効率に影響しません。むしろ、CAP構造を付加すると、反応条件がシビアになります。
Ω配列によって、充分に合成効率が保持されていますので、特にCAPを付加させる必要はないと考えます。
参考文献は?
こちらをご参考にしてください。

Y.Endo, BIO INDUSTRY, Vol.17 No.5:p.20〜27(2000)
Y.Endo, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, Vol.97 No.2:p.559-564(2000)
5.トラブルシューティング
コントロールベクターを使用してもmRNAが産生できません。
基質としてdNTPsを使用していませんか。mRNAの合成にはリボヌクオチド(rNTPs)が必要です。
また、ベクターのプロモーターに適したRNA Polymeraseを使用されていますか。
キット添付のベクター以外を使用されている場合には、プロモーターを御確認下さい。
6.パーツ別売について
ベクターは必要ないのですが、ベクター無しのキットはありませんか。
ベクター無しでの販売はしておりません。
ベクターのみの販売はありますか。
ベクターのみの販売はしておりません。
Buffer setのみの販売はありますか。
販売しております。

品名: PROTEIOS™ Buffer Set
Code No.: CPS-201
価格: \15,000
小麦胚芽液のみの販売はありますか。
ありません。
Sephadex G-25カラムは販売していますか。
弊社からはありません。アマシャム ファルマシア バイオテク(株)で販売しております。
7.PG-Mate™について
出願中の特許とは。
PROTEIOS™の出願特許の事です。
本特許中に、転写(37℃)から翻訳(26℃)の温度変化及び合成装置の事も触れられています。
PROTEIOS™のカタログには「特別な合成装置は必要ありません」とありますが。
PROTEIOS™販売開始時期には、まだPG Mate™が販売されておらず、また本キットの合成にはインキュベーターや恒温槽があれば可能なので、これらの装置は研究室では特別な装置ではないという意味です。
何をもってPG-Mate™で操作がうまくいっていると言うのか。
本装置を用いるGFP(緑色蛍光蛋白質)の合成で確認を行っています。
PG-Mate™でなくても他の装置でもいいのでは。
他の装置でも使用可能です。但し、一般的に使用されているPCRサーマルサイクラーでは、単温での時間設定は通常分単位であるため、PROTEIOS™の反応時間である3時間とか24時間の設定がそのままではできず、煩雑な操作が必要となります。またPCRサーマルサイクラーを使用すると、24時間とかの間はPCR実験が行えなくなります。
温度変化の時間は早いのか。
PCRサーマルサイクラーと同じサーモモジュール(電子冷却)を使用しているので、同等の早さです。 しかし、PCR反応と違い、時間単位の反応なので、温度変化の早さはそんなに重要なファクターではありません。
PG-Mate™を使用しないと蛋白質合成がうまくいかないのか。
そんなことはありません。しかし、本キットの使用が簡便になるように設計されています。
PROTEIOS™専用機なら、ボタン一つの操作でスタートできるようにすればいいのではないか。
プロトコールに記載の反応は、基本的なものです。
先生のニーズに合わせて、細かな条件検討が行えるように、好みの温度と時間を入力できるようにしてあります。
96穴平底プレート使用時、プレートに結露は起こらないのか。
起こりません。本体のカバー温度は、設定温度より1℃高くなるように正確に制御しております。
また、カバー部の温度コントロールによりチャンバー内の温度分布もほとんどありません。

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